パチスロで換金する際に使われる
特殊景品については、
意外と知られていない事が多いです。
これまでの様々な規制の中で、
特殊景品も、大きく姿を変えてきました。
今回は、特殊景品について、
詳しく解説します。
こんなものが特殊景品だったの?
香水や、乾燥材、コーヒー豆、
歯ブラシ、リップクリーム。
これらは、すべて1990年代の初頭に
使われていた、特殊景品の数々です。
店内で、これらを受け取り、
これを景品交換所に持ち込んで、
現金に交換していました。
景品交換所は、現在も、
分かりにくいところにありますが、
昔は、もっと分かりにくかった。
アパートの一室、
ペットショップの中、寿司屋の中など、
今では、考えられないような場所に、
景品交換所が存在していました。
ユニークな特殊景品としては、
高級フカヒレ、レコード針、
マヨネーズ、缶詰なども。
当時は、これらを景品交換所に出せば、
お金に交換してもらえたのです。
TUCショップの登場がすべてを変える
昔は、店舗によって、
特殊景品がバラバラでしたが、
1990年代に、
革命的な出来事が起こります。
それは、東京商業流通組合の
TUCショップが登場し始めたことです。
TUCについては、下記の記事もご覧ください
これにより、特殊景品には、
金地金(きんじがね)が使われるようになりました。
※金地金(きんじがね)とは、簡単に言うと金塊(きんかい)の事で、インゴットとも言われます。金を保存しやすいように変形させた金塊
導入当初は、
かなりの反発があったものの、
パチンコ、パチスロを、
健全な形で、経営していきたいという、
店側の思惑もありました。
TUCショップは、堂々と営業を行い、
コソコソと換金する、これまでの光景は、
払拭されていく事になります。
これ以降、東京だけでなく、
日本全国で、このようなスタイルの
特殊景品が増えていったのです。
・三重ではしおり
・大阪では文鎮
独特な特殊景品のスタイルの
エリアもありましたが、
TUCの登場をきっかけに、
一気に変わっていきます。
多くの人が抱えていた、
景品交換所のイメージは、
時代を経て、大きく変わったのです。
景品の上限を上げたことも要因か
理解できたと思いますが、
そもそも、
このようなことが成立していたのは、
景品の値段が安かったことが要因です。
当時は、一般景品の上限が3,000円で、
さほど高くありませんでした。
ところが、景品の上限が1万円となり、
大景品1枚5,000円のような景品にした時に
問題が起こります。
特殊景品は、
あくまでも、対等に交換できるという事で、
お金としての価値が見出されます。
中身が、賞味期限切れのコーヒー豆では、
そのような価値はありません。
どのような物なら、特殊景品として、
説得力を持たせられるのか?
そうなった時に金が出てきたわけです。
ライターの石に、
数千円の価値があると言われても、
多くの人は納得しませんが、
誰もが、納得する特殊景品として、
金が登場し、それが主流になっていきます。
中身は本当に金なの?
特殊景品の中身は、
本物の、金地金(きんじがね)です。
なので、金の価格が、高騰した際、
景品交換所に持ち込まず、
一般の貴金属店で売るケースが
続出しました。
そうしたところからも、
特殊景品の中身は、
本物であることが証明されています。
ただ、東京以外の道府県では、
金メッキが用いられているそうです。
なお、組合によっては、
いくら以上のメッキを使わないといけない
という決まりもあるようです。
ただ、実際に、業者が処分をする際に、
規定以上のメッキが付いていなかった事例も
明らかになっています。
もちろん、地方によっては、
律義に守っているところもあるでしょうが、
そこまでチェックしていなかったのが実情。
気を付けたいのは、
日本全国、全ての特殊景品の中身が、
本物の金だけではないという事です。
金メッキの場合、1つの大景品で、
5,000円の価値はありません。
ですので、特殊景品を、
金の取引業者に売った方が良いのでは?
と、安易な考えは避けるべきです。
特殊景品は、景品交換所で、
交換するのがベストと知っておきましょう。
昔は、その名の通り「特殊景品」でしたが、
今では、シンプルで、
誰にでも分かりやすいものへ
様変わりしてきたのです。
実際に特殊景品は利用できるの?
今でも、しおりが渡される事があります。
そのしおりを、実際に、
本来の目的で利用することは可能なのか?
ちょっと、気になるところです。
しかし、しおりのケースを開けて、
取り出そうとしても、
実は、なかなか取り出せません。
なので、ケースを壊すなどして、
取り出さない限り、
しおりとしては使えないようです。
持ち帰っても、
問題ないように見せながらも、
結局は、最初から、
換金のために作られているのが
実情と言えるでしょう。
とはいえ、換金用の景品を、
用意するというのは、
何かと、グレーな部分です。
そこで、実際に、
利用できるような見た目にして、
ジョークのようなものに
仕立てあげています。
実際に利用すること自体は可能ですが、
再び、それを景品交換所には
持っていけません。
よほどの物好き、
興味本位の人でない限り、
特殊景品を、
無理やり開けるのはやめましょう。
しおり方式を採用していた三重県
認められていなかった三重県。
その三重県では、しおり方式という形で、
換金がなされていました。
普通、景品交換所は、
店に隣接していますが、
三重県では、そうではなく、
近所のお店で、交換していました。
その際に、手数料として、
いくらか差し引き、
お客さんに渡されます。
そのため、三重県では、
端数が出る換金が
当たり前のように行われていました。
手数料自体は、全国的にありますが、
店側が負担している形に
なっているだけのことです。
三重県で、パチスロが、
長らく導入されなかったのは、
しおり方式が、
パチンコだけ有効だったため。
メダルを交換する際に、
その手が使えなかったから、
長らく導入されていなかったのです。
特殊景品1つとっても、
様々なドラマがあることが分かります。
まとめ
現在でも、金ではない特殊景品が、
利用されているケースはあります。
その一方、初心者や、
普段、見慣れない人からすると
戸惑うことは明らかです。
そういう意味では、
TUCショップの登場は、
パチスロ業界にとって、
画期的だったと言えるでしょう。
現在、三重県は、
全国的な換金のやり方で行われ、
年末には、オールナイト営業で、
全国からスロッターがやってきます。
もし、今も、しおり方式だった場合、
スロッターがどのような反応をするのか、
面白そうです。